EDIX東京2023は盛況のうちに終了しました。
今回は、EDIX開催時、ジンジャーアップブースで実施されたセミナーをご紹介していきます。
今、国を挙げて推進!
トレンドのxAPI ジンジャーアップの人材ビッグデータ戦略
株式会社ジンジャーアップ 代表取締役 井手 啓人
弊社、株式会社ジンジャーアップは、学習管理システム/LMS
(商品名:eラーニングマネージャーZ)を開発・販売している企業です。
設立から14年にわたり皆様にご愛顧いただき誠に感謝しております。
この eラーニングマネージャーZ🔗は、2001年に米国国防総省傘下のADLが提唱したSCORM規格を使い、学習履歴をとることができます。
これにより、対面学習ではできなかった「A君がいつ、どこまで学習して、確認テストで何点とって、その時のアンケートはどうだったか」ということをデータベースに蓄積しくことができ,そして教材コンテンツの相互運用ができる画期的な機能でした。
しかし、時は経ち、インターネットの回線速度も飛躍的にアップして、スライド教材がメインだったコンテンツも動画教材が主流を占めるようになり、2008年には、アップルから「iPhone」「iPad」などの新しいデバイスが出現することとなります。
私は、その間、学習履歴だけではなく、もっと幅広く経験値や人々の良い面の総合的な履歴をとり、個人のビッグデータとして有効活用できないかと思考するようになりました。
そう考えたのは、PCのみならず、スマホやタブレットなどのデバイスも増え、動画データをはじめとするあらゆるデータがとりやすくなったと感じたからでした。
そんな時に米国国防総省傘下のADLが新しい規格であるxAPIを発表しました。
これは、私が思考した「経験値の履歴」をとることができるとのことでした。
このxAPI仕様のLRSは、さまざまなデータを統一形式にしてビッグデータ化して、さらに、それらを分析・解析して改善につなげるという、さらに革新的なものでした。
私は驚いたのと同時に、「これだぁ!」と小躍りしていました。
それが2013年のことです。さらに2016年にはxAPIの学習管理システム「cmi5」規格も発表。
ジンジャーアップはすぐさまADLとやり取りを始め、xAPI仕様の核となるマルチデータベース、LRS (ラーニングレコードストア) の開発に着手し、2013年から4年の歳月を要し2017年ついに、ジンジャーアップLRSとしてADLから正式な認証を与えられることになります。
2017年に正式なLRSが完成してからは、先見性のある企業様からLRSを活用した新しいシステムの開発業務を数多く受託して実績をあげています。
さらに、2022年には世界で初めてのxAPIの学習管理システム(LRS内包)のcmi5仕様のジンジャーアップ最新商品である 「xSTAGE (エクステージ)」🔗を発表いたしました。
これらLRSはさまざまなデータを統一形式にしてビッグデータ化することにより、経年蓄積データの有効活用など、各種分析レポートとして出力することで、精度の高い改善が可能になります。
これは、従来の学習管理システムでは、コンテンツの終了状況確認などの学習履歴しか取れなかったことと比べると雲泥の差です。
すでにアメリカやイギリスなどでは、さまざまな活用事例が報告されています。
各種データである社内ポータル(マニュアル・規定、企画書ライブラリー)やヒューマンリソースシステム/営業システム、スキル分類/意識調査、IoTデータ、動画/VR、さらにSNSなどコミュニケーションツールのデータなどをLRSに取り込んで分析・解析を施し、社員のパフォーマンスや業績向上につなげています。
例をあげれば、超大手食料品店チェーンのウォルマートは、複数のプラットフォームに存在していた学習データを企業全体で一元化して統合。LRSのデータに基づいてAIを活用して従業員が自身のスキルを把握して意欲がわく真の適応型学習環境を構築しています。
クレジットカードのVisaは、従業員の経験値や業務活動の履歴データをLRSに統合して、従業員自身のパフォーマンスを実感させ、意欲を引き出すことに成功し、業績の向上を実現しています。
ケンタッキーフライドチキンなどで有名なヤム・ブランズは、LMSの学習履歴だけでなく、業務上のIoTデータ (例えば業務におけるオーブンの温度を一定に保っているかなどのセンサーデータ) もLRSに統合し、従業員の学習を最適化することで個人のパフォーマンスと業務の品質向上とを結びつけることに成功しています。
一方、日本国内の動きはどうかというと、一般企業はまだまだ遅れており、官公庁が注目しはじめ、ようやく動き出したところです。
文部科学省は、GIGAスクール構想の一環として開発したオンライン試験システム、MEXCBT(メクビット)を有し、これは様々な学習アプリケーションと連携してLRSに相互運用性のあるデータを記録。より高度なラーニングアナリティクスを目指しています。
また、ある中央官庁では、今まで各省庁バラバラに運用していた旧来の学習管理システムを、最新のxAPIの学習管理システムcmi5の特長を活かし、統合しようとしています。
これにより各省庁は、今までどおり独立した環境で活用しながら、省庁共通の教材コンテンツに関してはLMS設定により、他省庁から呼び出して利用することができるようになります。
これまで省庁共通コンテンツであっても省庁ごとにアップロードしていたものが、一ヶ所にデータを格納しておくだけで全省庁が自由自在に使えるようになるわけです。
さて、ここまでジンジャーアップとeラーニングの標準規格の変遷を見てきましたが、今後のジンジャーアップの方向性について下記したいと思います。
まずは、官公庁、教育分野、各企業、組織に向けてLRSの優位性を発信。
その上で、コンサルティングサービスを提供。
教育分野へのテーマとしては、
データの利活用:各人にあった個別最適な学びの機会を提供!
企業・組織分野へのテーマとしては、
人的資本の活用:各個人のパフォーマンス向上による業績アップ!
そして、ジンジャーアップの今後の展望は、
学習履歴、教育だけにとらわれず、eラーニングで培った経験を活かし、「顧客管理」、「顧客分析」。「業務分析」など全ての分野に事業拡大!
LRSをベースとしたインテグレーションビジネスへ!!!
これからのジンジャーアップにぜひご注目ください。
本セミナーの資料は下記よりダウンロードできます